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【2012年 回顧と展望】製薬産業に対する価値認識と期待を高めた一年‐製薬協

2012年12月26日 (水)

新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度について

 昨年、財務省は後発医薬品の使用促進が計画通りに進んでいないことの埋め合わせとして、2400億円の追加引き下げを求めてきた。国民・患者の利益との視点から多くの方々が財務省提案の抱える問題点を認識され、結果、250億円の追加引き下げにとどめることとなったが、財政上の理由からとしか思えない市場価格によらない薬価引き下げが行われたことは極めて遺憾である。

 約5000億円相当の薬価引き下げが行われた4月の薬価改定の中には、試行導入されている新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度による加算分約700億円が含まれている。

 新薬開発に取り組んでいる日本製薬工業協会(製薬協)会員企業にとっては、新薬創出に向けた投資を少しでも早く回収し次の新薬創出に再投資できるという極めて有意義な仕組みである。

 これまでにも、開発要請を受けた未承認薬・適応外薬の開発に積極的に取り組むことで大きな評価を得ているものの、新薬を創出する仕事には10年余に及ぶ長い年月を要するだけに、本制度が安定的に運用されることが必要との認識にあり、恒久化を求めている。製薬企業のためである以上に患者のための仕組みである。中央社会保険医療協議会での論議は来年度に本格化するものと理解しているが、関係各方面の深い理解のもと、実現させるべき仕組みであるとの共通認識を得ていきたい。

コンプライアンスの徹底と透明性の確保

 諸外国における医薬品産業に対する国民の評価は必ずしも高くない、むしろ低いと言っても過言ではない状況と聞くが、わが国の医薬品産業に対する国民の評価は極めて高い数値となっている。産業に身を置く一人として大変嬉しく思っているが、期待を裏切るわけにはいかないと身の引き締まる思いでもある。

 そんな中、製薬協では、プロモーション活動に関する行動基準であるプロモーションコードを包含した新しいコードとして、企業に属する全ての役員、従業員の行動規範策定に着手している。

 革新的で有用性が高く安全な医薬品を開発していく責務を持った会員会社の活動が、より高い倫理性、透明性を保ちながら社会に信頼されるものとなることを目指している。

まとめとして

 新薬を創出できる国は限られており、日本の製薬産業はアメリカ、イギリスに次いで三番目の新薬創出国である。製薬協会員会社は、日本の患者にはもちろんのこと、世界の患者に素晴らしい医薬品を届けるよう、これからもたゆまぬ努力を続けていくので期待いただきたい。


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