ファイザーは、腸管アメーバ症治療剤「アメパロモカプセル250mg」(パロモマイシン硫酸塩)を新発売した。新薬ではあるものの、長く使われていく標準的治療薬という観点から、特許切れ製品を扱うエスタブリッシュ事業部が販売を行う。
1960年代から90年代までは、細菌性赤痢等を適応症として、他社メーカーが国内で販売していたが、承認が整理され、販売中止となっていた。その後、「熱帯病治療薬研究班」のもとでドイツのファイザーが販売していた製剤を国内輸入し、医療機関の要請に応じて薬剤を提供していた。
厚生労働省からの開発要請を受けたファイザーが一昨年12月に承認申請を行い、昨年12月に承認を取得した。海外では18カ国・地域で承認されている。
腸管から吸収されにくい特徴を持ち、腸管腔内の赤痢アメーバに高濃度で作用する。国内では腸管内で高濃度を維持し腸管アメーバに効果を発揮する薬剤はない。用法・用量は、パロモマイシン硫酸塩1500mg(力価)を1日3回に分けて10日間、食後に経口投与する。
薬価は、250g1カプセルが431・90円。