
小児薬のロングセラー商品「樋屋奇應丸」を販売する大幸薬品は、製品名のロゴタイプを読みやすい平仮名の「ひやきおーがん」に変更すると共に、効能・効果が分かりやすい新パッケージに改良して今月から新発売した。弱った臓器の働きを高め、五臓のバランスを整える五疳薬(ごかんやく)として江戸時代から販売されているが、「現代の若いママ層では製品名の“樋屋奇應丸”が読めない人も多く、何に効くのかが分かりにくいとの声もあった」(同社)ことから、製品コンセプトとパッケージを一新した。
五疳薬とは、五臓(肝臓・心臓・脾臓・肺臓・腎臓)のバランスが乱れることで起こる、夜泣き・神経過敏・情緒不安定・イライラなどの精神神経系症状、また食欲不振や下痢・嘔吐などの消化器症状、かぜをひきやすいなどの呼吸器系症状の諸症状を総称したもの。「樋屋奇應丸」は1622(元和8)年に創製された代表的な小児五疳薬で、ジャコウやジンコウ、ユウタンなどの生薬を主成分とする。
大幸薬品では一昨年5月に、この「樋屋奇應丸」を製造販売する樋屋製薬(大阪市)と、国内における11品目の独占販売権契約を締結。同年8月から大幸薬品を発売元として販売されている。
子の成長を願い、親から子へ受け継がれてきた同品だが、時代の移り変わりに伴い、製品名を読めない・知らない、何に効くのか分からないといった若いママたちも増えてきた。一方で、子育ての悩みは子どもの成長と共に変化することも分かった。
今年1月、全国の13歳未満の子ども(長子)を持つ母親へ調査したところ(大幸薬品が実施、対象659人)、全体に共通の悩みとしては「キレやすい」「食が細い」「興奮泣き・ぎゃん泣き」が挙がったが、0~3歳未満では「夜泣き」「体重が増えない」、3~7歳未満では「神経質になる」「身体が弱い」というように、子どもの成長につれてママたちが抱える悩みも変化していた。
そこで、現代のママたちでも製品名が分かるよう、読みやすい平仮名の「ひやきおーがん」をメインとしたロゴタイプに変更すると共に、効能・効果も分かりやすく明確に表記した。また、実際は赤ちゃんだけでなく、幼児から大人まで幅広く用いられるシリーズであることから、パッケージを色分けし、対象者のアイコン化を図った。
新たな製品ラインは、夜泣き・食欲不振に「ひやきおーがん銀粒」(1歳未満~14歳、税込み希望小売価格110粒1313円)、「ひやきおーがん糖衣」(1歳未満~15歳、120粒1523円)、食欲不振・かんむしに「ひやきおーがん金粒」(1歳未満~14歳、75粒1575円、200粒3465円、500粒7560円)、小児の神経質・胃腸虚弱・大人のイライラに「ひやきおーがんEX」(1歳未満~16歳以上、80粒2258円、180粒4200円)で、いずれも第2類医薬品。
新発売に合わせ、ブランドサイト(http://www.seirogan.co.jp/hiyakiogan/)もリニューアルしたほか、10月1日からは隔週で電動自転車などが当たる、子育てママを応援する新発売記念プレゼントキャンペーンも予定する。