厚生労働省は「医薬品・医療機器等安全性情報」(第236号)を発出。不整脈用剤「塩酸アミオダロン(経口剤)」で甲状腺機能亢進症などの副作用が集積したことから、添付文書の「警告」欄にこれらを追記するなど、関係者に注意を喚起した。今回情報提供されたのは以下の通り。
▽エダラボン(販売名:ラジカット注30mg=三菱ウェルファーマが販売)
その他の中枢神経系用薬で、脳梗塞急性期の神経症候、日常動作障害、機能障害の改善の効能・効果を持つ。直近3年間で企業から因果関係が否定できない副作用として、劇症肝炎6例(死亡1例)が報告されたことから、添付文書の「重大な基本的事項」に「重篤な肝障害」「重大な副作用」に「劇症肝炎」を追記した。
2001年6月に販売開始、年間の推計使用患者数は約14万人、年間売上高は約343億円。
▽塩酸アミオダロン:経口剤(アンカロン錠100=サノフィ・アベンティス、アミオダロン塩酸塩錠100mg「サワイ」=メディサ新薬)
不整脈用剤で、生命の危険のある再発性不整脈で効能・効果を有する。直近3年間で甲状腺機能亢進症・甲状腺炎9例(死亡1例)、甲状腺機能低下症が5例が企業から報告されたことから、「警告」と「重大な副作用」に甲状腺機能亢進症、甲状腺炎、甲状腺機能低下症を追記した。また、「併用禁忌」に塩酸インジナビルエタノール付加物、クエン酸シルデナフィルが追加され、関係者に注意を喚起した。
92年10月に販売開始、年間の推計使用患者数約2万8000人、年間売上高は約66億円。
▽コハク酸シベンゾリン:経口剤(シベノール錠50mg、同100mg=アステラス製薬、シノベジール錠50mg、同100mg=東和薬品)
不整脈用剤で、頻脈性不整脈の効能・効果を有する。直近3年間で、間質性肺炎3例が企業から報告されたため、間質性肺炎を「重大な副作用」に追記し、症状が現れた場合、適切な処置を行うことを求めている。91年1月に販売開始、年間の推計使用患者数約11万人、年間売上高約51億円。
また同号では、日本で2番目となる薬剤溶出型冠動脈ステント「TAXUSエクスプレス2ステント」(ボストン・サイエンティフィックジャパン)が、今年3月に承認されたことを受け、改めてステントと、用いられているチクロピジン塩酸塩に関する市販後安全対策について記事を掲載し、関係者への周知徹底を図った。
記事では、チクロピジン塩酸塩製剤は血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、無顆粒球症、重篤な肝障害等の重大な副作用があることから、関係企業に適正使用のための講習会開催や、患者へ適切な情報適用の徹底などを求めていることを紹介している。