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シェリング・プラウとバイエル薬品は11日、小腸でのコレステロール吸収を阻害するという新しい薬理作用を持つ高脂血症治療剤「ゼチーア錠10mg」(一般名:エゼチミブ)を発売した。高脂血症治療で主流のスタチン系薬剤とは異なる新しい作用を持つ薬剤は日本では18年ぶり。両社はMR1550人体制で営業を展開する。
薬価は1錠250・90円。売り上げ見込みは初年度46億7000万円、ピーク時の8年目には242億9000万円を見込む。
同剤は、小腸でのコレステロール吸収に関わる輸送体「NPC1L1」の活性を阻害することで、血中のコレステロールを減少させるという作用を持つ。また、代謝体であるグルクロン酸抱合体にも代謝前と同様の作用があるという。成人には1日1回1錠を食後服用し、症状、年齢に応じて用量を減量する。
235人の患者を対象とした国内の治験では、治療前に比べ12週後には血中LDLが18%、トリグリセリド(TG)が13%低下。また、317人の患者を対象とした治験では、治療前に比べてTGが17%低下し、血中HDLは17%上昇した。
海外での治験では、スタチン系薬剤の治療によって血中LDLの目標が未達であった患者にゼチーアを追加したところ、スタチン系単独投与に比べ血中LDLが21%、TGが11%と有意に低下させた。
副作用発現率は、プラセボ群が18%であったのに対して、ゼチーアは16%、スタチン系との併用群が20%であった。重篤な副作用は確認されていない。