
アボネックスペン
バイオジェン・アイデック・ジャパンは多発性硬化症(MS)治療薬として「アボネックス筋注30μgペン」(一般名:インターフェロンベータ‐1a)をMSの再発予防、「タイサブリ点滴静注300mg」(同:ナタリズマブ)をMSの再発予防と身体的障害の進行抑制の効能・効果で4日に発売した。
アボネックスペンは再発型MSに世界で最も多く処方されているインターフェロンベータ製剤のペン型自動注入器。注射針が見えない設計になってるため、注射に対する不安感が少なく、アドヒアランス向上が期待できる。
通常、成人には1回30μgを週1回筋肉内投与する。治療中は定期的な肝機能検査や血液検査が推奨されている。
タイサブリはヒト化モノクローナル抗体製剤で、海外第III相試験ではプラセボと比較して2年後の年間再発率が68%減少し、身体的機能障害進行の相対リスクが42~54%低下した。一方、副作用リスクもあり、重篤なものとして進行性多巣性白質脳症が知られている。ヘルペスウイルスによる脳炎や髄膜炎のリスクも増大する。
病態進行抑制のベネフィットと副作用リスクのバランスを考慮する必要があり、他のMS治療薬で十分な効果が得られなかったり、忍容性に問題がある場合や疾患活動性が高い場合にのみ使用する。
通常、成人には1回300mgを4週に1回1時間かけて点滴静注する。