中外製薬が開発した抗体医薬「アクテムラ」が、抗TNF療法に効果が不十分な難治性関節リウマチ(RA)患者にも効果を示したことを、スイスのロシュが発表した。海外で行った多国籍PIII結果で、今後、国際的学会に発表するとして詳細は明かしていないが、抗TNF療法が奏効しない場合は治療法はないといわれ、今回の成果は治療の可能性を広げるものとなりそうだ。
日本でのアクテムラのRA適応は、昨年4月に承認申請されている。現在、RAの薬物治療は、標準的には痛みや炎症を抑える非ステロイド性抗炎症薬や免疫に働きかける抗リウマチ薬(DMARD)が用いられるが、効果不十分な場合、抗TNF療法が行われる。
今回概要が公表されたPIIIは「RADIATE」と呼ばれるもので、抗TNF療法が奏効しない難治性RA患者498人が対象となった。試験では、ヒト化抗IL‐6受容体モノクローナル抗体であるアクテムラと抗リウマチ薬のメトトレキサート(MTX)併用した患者群と、プラセボにMTXを併用した群に分けて比較検討された。その結果、MTX/アクテムラの併用群の方が「多くの患者で24週投与後の症状に有意な改善が認められた」との成績が得られている。24週投与後に治療効果を判定する基準のACR20を達成した患者の割合を主要評価項目としたものだが、結果の詳細は明かしていない。