昨年10月に発足した献血者健康被害救済制度の今年3月までの運用状況を、日本赤十字社がまとめた。制度発足後、半年間で給付されたのは338件で、「血管迷走神経反射(VVR)」によるものが最も多かった。この半年間の総献血者数に占める健康被害発生者の割合は約1.1%で、例年と大きな変化は見られなかった。
給付された338件は、いずれも医療費と医療手当で、態様別では、「腕が痛い」「しびれる」「倦怠感がある」など、検血に由来するかどうか判断が難しい「その他」が83件と、最も多かった。次いで「VVR」が59件、「VVR転倒」が57件で、両者を合わて116件(34.3%)にのぼった。そのほか、神経損傷が48件、皮下出血が41件、神経障害が23件だった。
性別では、VVR、VVR転倒、皮下出血は女性で多く、神経損傷、神経障害、穿刺部痛は男性で多かった。採血種別では、男女ともに「400mL」が最も多く、合計198件で全体の58.6%を占めた。「200mL」は男女合計で35件、全体の10・4%だった。献血回数別では、「0」が59件で最も多く、「11020」が46件、「1」が38件、「2」が28件の順で続いている。