京都大学は2月27日、医学系研究科EBM研究センターが実施した降圧剤カンデサルタンの医師主導大規模臨床研究「CASE-J」をめぐり、データの一部が武田薬品の販促資料において論文と異なるグラフが使われ、有効に見えるよう改ざんされていた疑いに対し、「統計解析の正当性に問題は認められない」と結論づける第三者委員会の調査結果を公表した。京大の研究者が販促資料に別のスライドが使われていたことに「気がついていなかった」としつつ、「立場上、注意して確認し、事態を防ぐことが望まれた」と道義的な責任を指摘した。
CASE‐J試験は、同大EBM研究センターが実施した医師主導大規模臨床研究で、カンデサルタンとカルシウム拮抗薬アムロジピンの心血管イベント発症抑制効果を比較したもの。日本高血圧学会の支援を受け、2001年9月から05年12月まで行われた。その結果、主要評価項目の心血管系イベント発現数は、両群に有意差はなかった。
* 全文閲覧には 薬事日報 電子版 » への申込みが必要です。