ノバルティスファーマと中外製薬は11日、閉経後乳癌治療薬「フェマーラ錠2・5mg」(一般名:レトロゾール)を発売した。乳癌の原因となるエストロゲンを合成するアロマターゼの働きを阻害することで、作用を発揮するとされている。手術の実施が困難な進行性、再発性閉経後乳癌、手術後の再発防止のための補助療法などに使用できる。
同剤は両社が同一製品名で共同販売する。薬価は1錠687・50円。1錠を1日1回投与する。
国内治験では、抗エストロゲン剤の治療歴がある閉経後乳癌患者で29・0%、抗エストロゲン剤による治療が無効となった患者で21・0%の奏効率を示した。
ノバルティス「フェマーラ錠2・5mg」 | |
中外の「フェマーラ錠2・5mg」 |
副作用は、41%に認められた。主なものとして、ほてり(発現率6・6%)や頭痛(3・1%)、関節痛(2・8%)など。臨床検査値異常では、血中コレステロールの増加(8・3%)、ALT増加(7・9%)、γGTP増加(6・6%)などが発現した。ノバルティスによると、同剤は選択性が高いため、副作用の発現が少ないと説明している。
売り上げ目標として初年度に両社で3億2000万円、ピーク時の2011年には86億4000万円を見込む。