主要な製薬企業の2006年3月期決算が16日までに出揃った。売上高上位10社の大手・準大手で増収増益は、武田薬品、第一三共、アステラス、エーザイの上位4社に加え、大日本住友製薬、三菱ウェルファーマの計6社。上位4社は海外売り上げが牽引した。それ以外の海外売り上げが相対的に低い社は、主力品の伸び悩みや事業見直しなどで減収または微増収が目立ち、上位10社の中でも、二極化がうかがえる結果となった。
上位4社では武田とエーザイが、国際戦略品の国内外での伸びに支えられ、突出した強さを見せた。武田は、糖尿病治療薬「アクトス」などの医療用主力品により、国内400億円余り、海外600億円強それぞれ伸ばし、7.9%増の1兆2122億円、当期純利益は12.9%増の3132億円を計上し、業界トップの地位を守った。
業界4位のエーザイは、アルツハイマー型認知症治療薬「アリセプト」とPPI型抗潰瘍剤「パリエット」の二大主力品が日米欧アジアで伸長し、売上高は12.8%増の6012億円、当期純利益は14.2%増の634億円と、二ケタの増収増益を記録。日本168億円増に対し、海外は米国の伸びを中心に515億円増と、海外売上高が業績を牽引した。
業界2位の第一三共は、日米欧で降圧薬「オルメテック」などの主力品が伸びたものの高脂血症治療薬「メバロチン」の落ち込みなどが響き、売上高は9259億円で1.0%増と低い伸びとなった。
第3位のアステラスは、合併に伴う特殊要因で国内事業は減らしたが、海外で、免疫抑制剤「プログラフ」などの主力品の伸長で海外売上高は400億円近くまで伸ばし、売上高は2.0%増の8793億円を確保した。
上位4社以外の増収増益の社は、三菱ウェルファーマ(売上高:0.8%増、当期純利益:57.1%増)と大日本住友製薬(前年同期合併旧社単純合算比較で売上高:0.6%増、当期純利益11.6%増)。三菱は、主力品は伸ばしたものの、気管支拡張剤「テオドール」などが4月からの販売継承に伴う在庫圧縮などで減収要因が響いた。大日本住友も主力品は伸ばしたが一部製品の事業整理などの減収要因が響き、両社とも微増収だった。