日本チェーンドラッグストア協会会長 青木桂生

昨年は、松本南海雄JACDS名誉会長が業界初となる旭日小綬章を受章されるという喜ばしい出来事がありました。その一方、4月に導入された機能性表示食品制度は、申請はするものの、なかなか受理されず、店頭に並ぶ商品はまだ少ない状況です。インバウンド需要は業界に恩恵を与えていますが、やはり高齢社会におけるドラッグストアとしての役割をしっかりと確立することが、早急の課題であると考えます。
11月に誕生した一般財団法人日本ヘルスケア協会は、健康寿命延伸に向けた建議提言と合わせ、保険に頼らず、産業界が支えていくための叡智を結集するための、初めての団体であり、密接な連携を図っていきたいと思います。
こうした中、今年の主な重点活動方針は次のとおりです。
予防、医療、介護の一層の充実を図る
現在、65歳以上の独居老人は600万人と言われています。また、2023年には3人に1人が65歳以上になると予測される中、施設介護から在宅介護へ大きく方針は転換されました。ドラッグストアは地域にあって、予防、未病改善、介護において大きな役割を果たしていかなければなりません。
「街の健康ハブステーション」を目指す
ドラッグストアは地域において、健康の総合的窓口機能の役割を持ち、セルフメディケーションの推進役とならなければなりません。
セルフメディケーション推進に求められる商品、サービス、情報提供などあらゆる要件の再構築が必要です。また、ドラッグストアで全てのニーズに応えることはできませんので、各分野の専門家や専門施設、サービス事業者、業界団体と連携し、どんな要望も解決する環境づくりを行います。
365日24時間営業を研究・拡大する
長時間営業、24時間営業は若者の文化であると共に、高齢社会においても必要とされるニーズです。厚生労働省が作成した「薬局ビジョン」では調剤を含め、24時間365日営業が求められています。
夜間における販売は新しい需要の発掘にもつながり、ドラッグストア業界の新たな成長につながります。今年はこれらの重点活動方針を達成するため、12の研究ならびに普及推進プロジェクト活動を積極的に行っていきます。
JACDSは今年を「ドラッグストア再成長元年」と位置づけ、このドラッグストア業界の発展を確実かつ効率的に進めるため、さらに正・賛助両会員企業の発展に役立つ活動を強力に行っていきます。