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【医薬・医療業界の人事戦略を探る】総合メディカル

2016年2月26日 (金)

薬局篇

医療を支え社会に貢献‐バランスとれた人財育成

甲佐氏(右)と齋藤氏

甲佐氏(右)と齋藤氏

 調剤薬局チェーン大手の総合メディカル(本社福岡市)は、現在、全国に576店舗の保険薬局を展開し、社内の薬剤師総数は1924人と全従業員の40%以上を占める。メインの薬局事業だけではなく、医業経営コンサルティング業務も行っており、そうした医療現場や、周辺支援として薬剤師としての能力を発揮できる人材を常に求めている。同社人事本部人財育成部長兼採用部長の甲佐貴光氏と採用部シニアマネージャーの齋藤恵太氏に求める薬剤師像や、採用の現状を聞いた。

 『よい医療を支え、よりよい社会づくりに貢献する』という社是を掲げる同社は、薬剤師の採用方針についても「医療に対する使命感や責任感のある人財を求めている」(甲佐氏)と強調する。今年4月の調剤報酬改定では、『かかりつけ薬剤師指導料』が新設されたこともあり「今後は、数だけではなく、そうした取り組みに対応できる人財の質も採用の際の課題になる」との見解を示し、時代の求めに応じて対応できる人財育成の必要性を感じているという。「現実問題として、薬剤師が患者さんとの個別契約を結ぶのは難しいが、患者さんから選んでもらえる、かかりつけ薬剤師をさらに育成していかなければならない」とし、これらの点を考慮した採用を進めている。

 薬剤師採用ルートは、新卒は説明会・大学訪問、中途は紹介会社経由がメインとなっている。社員からの紹介のほか、直接会社や店舗などに応募してくるケースもあるという。甲佐氏は「今は完全に売り手市場。当社も新規出店を行う中、薬剤師の確保が必要で、採用の間口は広く設定している」という。

 また、同社が採用した薬剤師の離職率は減少の傾向にある。齋藤氏は「長く働くことを前提に、福利厚生が充実し、経営の安定した大手の企業に継続して勤務したいという人が増加傾向にある」とする。また、同社の場合、キャリアアップ体系が明確なことに加え、医業経営コンサルティング事業を展開するなど、将来の活躍の場が多い点も、その理由として挙げる。「薬剤師でも課題解決型の能力の高い人は、コンサルタントは魅力的に映るようだ。さらに、直接、医療に関わるのではなく、間接的に医療を支援することにモチベーションを感じる人も多い」(甲佐)という。

 同社の中途採用の場合、調剤未経験の人が応募してくるケースも少なくない。「前職が製薬会社のMRや研究職の人もいる。そうした人には、基本的な企業理念や医療理念などの考え方を中心に集合研修を行い、実際の業務は薬局現場に配属後にOJTで習得する形で育成を行う」(甲佐氏)という。また、ここ数年、女性薬剤師の採用が増加傾向にある中で、同社の薬剤師の男女比率は、ほぼ同じとなっている。

 そうした背景もあり、人事本部長を中心としたダイバーシティ推進プロジェクトを展開・推進。女性の活躍推進に全力で取り組んでおり、女性の管理職登用も来年3月末までに役職者に占める女性の割合を30%にする数値目標を設定している。

 同社では、薬剤師の専門能力を育成するスキルアップ研修と、薬局運営の能力を育成するマネジメント研修を実施。「特に当社の専門薬剤師は、抗がん剤など高度な薬学的管理を行う薬剤師として、服薬指導だけではなく、メンタルケアもできる人財の育成に取り組んでいる。加えて、使命感や責任感を持ち、患者さんとのコミュニケーションがとれるバランスの良い医療人としての薬剤師を社内で育成している」(甲佐氏)という。採用時には薬剤師本人の適性などを考慮しつつ、入社後に希望するキャリアプランが描ける仕組みを構築している。

 今後の薬剤師採用の展望について数年先には売り手市場から買い手市場に変化していくと予測する。「物理的な薬局数が、今後6万軒、7万軒と増加することは考えにくい。当社も新規出店は減少していくことが予測され、薬剤師の職域や職務内容に大きな変化がない限り、薬剤師の供給が過剰になる時期が来る」(甲佐氏)と強調し、現在のように資格ありきで数を採用する時代から、適性や能力を重視した傾向に向かうと考えている。




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