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ニッチ領域に挑むアイルランド企業”No.4”

2007年11月14日 (水)

アラン・ケミカル・カンパニー(Arran Chemical Company)

【中間体「キラルシントン」などを提供】

オーエンズ氏
オーエンズ氏

 独立系の精製化学会社として知られるアラン・ケミカル・カンパニーは、首都ダブリンから車で2時間ほど離れたアイルランド中部のアスローン地区に立地し、医薬品をはじめ、化学的・工業的利用を目的とした特殊製品の製造を行っている。

 特にキラル化学に関して専門的な技術を持ち、医薬品など化学品製造の中間体となるキラルシントン、不斉合成試薬を提供しているのが特徴だ。医薬品の中間体であるキラル化合物(光学活性体)は、最近世界で承認された新薬の大部分を占めるといわれており、医薬品の合成プロセスにおいて、キラル化合物の重要性は年々高まっている。

 アランは、専門的な技術を持つキラル化学の中でも、光学活性アミノアルコール類の製造、キラル(非対称)合成など、新薬開発に関連する化学品の製造に焦点を当て、力を入れたビジネスを展開している。

 もともと、不斉合成などの有機化学研究は日本の得意分野として知られているが、アランはキラル化学の中でも、ニッチ領域に焦点を当てた技術という強みを生かし、日本企業とも積極的にビジネスを行っている。常務取締役のアンソニー・オーエンズ氏は、「私たちのような小さな企業でも、専門技術を生かしたサービスを提供することで、良い反応をいただける」と自負する。

 数年前から、日本の製薬企業も中間体製造に関して、外資系企業へのアウトソーシングに積極的になってきた。こうした状況を受け、オーエンズ氏は日本市場を有望視しており、「顧客と良い関係を維持していけば、ビジネスが広がる感触はある」と手応えを話している。



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