宝塚市立病院は、入院中に減薬した意図が退院後も引き継がれるように、減薬の経緯や理由を記載した退院時薬剤情報提供書を作成し、医師連携の根幹となる診療情報提供書に添付している。7月23、24日に岐阜市で開催された日本医薬品安全性学会学術大会のシンポジウムで取り組みを解説した同院薬剤部の吉岡睦展氏は、地域開業医との関係構築や病棟薬剤師の関与によって減薬を支援していると強調。この動きには地域全体に波及し、今年4月には宝塚市内の病院が同じ形式で「退院時薬剤情報提供書を統一できた」と語った。
吉岡氏は同院地域医療連携部に在籍した3年間で、地域の開業医や病院、老人保健施設などを積極的に訪問し、顔の見える関係構築に力を入れた。病院の医師は基本的に、開業医の紹介を受けて入院した患者の処方に手を加えたがらない傾向が強い。吉岡氏は、必要に応じて開業医と連絡をとりながら、漫然と投与されている薬剤などの減薬を支援。関わった患者群では、入院時平均9.8剤だった薬剤数が退院時には平均7.6剤に減少した。
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