「将来認知症になるかもしれない」と思っている人は61.4%に上ることが、健康日本21フォーラム(理事長高久史麿氏:自治医科大学学長)の調べで分かった。しかし、認知症が「医師に診てもらう必要がある」疾患だと理解しているのは39.7%にとどまり、同フォーラムでは、「認知症が病気であると正しく認識し、病気を早期に発見して、医師の診断をいち早く受けることが大切」と呼びかけている。
調査は昨年5月、全国の20歳以上の男女1369人に対し個別面接により行ったもの。
認知症になるかもしれないと思っているのは、男性57.5%、女性64.7%で、男女いずれも40歳代で最も高かった。特に40歳代女性は74.6%に上った。
認知症への理解度では、「病気」と捉えた人は45.3%で、「年をとれば誰にでも起こる」も42.2%いた。医師の診察が必要だとしたのは39.7%だった。結果を踏まえて、同フォーラムでは「正しく理解している人はまだまだ多くない」と指摘した。
初期段階での告知については、診断されたのが本人の場合、「ぜひ教えてもらいたい」と告知を希望する人は50.6%だったのに対し、家族が認知症と診断された場合に「ぜひ教えた方がよい」と考えている人は28.7%と、対応に違いがみられている。