武蔵野赤十字病院院長の泉並木氏は、都内で行われた講演会で、昨年12月に発売された慢性肝疾患における血小板減少症治療薬「ムルプレタ」(一般名:ルストロンボパグ)について、「世界初の適応症であり、経口薬で血小板を増やすことができる」と臨床上のインパクトを挙げた。従来はリスクが伴う血小板輸血や脾臓摘出、部分的脾動脈塞栓といった患者負担の大きい治療法が主流だったが、経口薬による治療法を提供できるようになったことで、「輸血を受ける患者が減る可能性がある」と述べ、社会的にも意義が大きいとした。
肝臓癌や肝硬変といった慢性肝疾患は、トロンボポエチン(TPO)の産生低下や血小板関連IgG(PAIgG)の産生などによって、血小板産生低下や血小板寿命短縮を引き起こす。これまでは、血小板数の確保を目的に血小板輸血などが治療法として用いられてきたが、血液製剤の供給や感染症・合併症のリスク、輸血後のフォローアップが必要である理由から、患者・医療従事者に大きな負担が強いられていた。
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