再発・難治性の白血病・悪性リンパ腫治療薬「アラノンジー」を新発売”T‐ALL、T‐LBLが適応 グラクソ・スミスクライン

2007年12月21日 (金)

 グラクソ・スミスクラインは14日、再発・難治性の白血病・悪性リンパ腫治療薬「アラノンジー静注用250mg」(一般名ネララビン)を新発売した。

 アラノンジーは、これまで標準的治療が確立されていなかった再発・難治性のT細胞急性リンパ性白血病(T‐ALL)、T細胞リンパ芽球性リンパ腫(T‐LBL)の治療薬として、単剤で初めて有効性が認められた抗癌剤。白血病細胞やリンパ腫細胞のDNA合成を阻害することで作用を発揮する。

 アラノンジーの適応となったT‐LBLは、悪性度の高い悪性リンパ腫で、進行すると中枢神経に浸潤していくことが治療上の大きな困難とされてきた。実際、既存の抗癌剤は、血液脳関門を通過しないため、中枢神経組織に白血病細胞やリンパ腫細胞が浸潤すると、治療が難しかったのが現状だ。

 その点、アラノンジーは血液脳関門を通過する特徴を持っており、中枢神経系の白血病にも効果を発揮することが期待されている。ただ、海外の第II相臨床試験では、有害事象として傾眠などの神経毒性が見られており、投与に注意が必要とされている。

 アラノンジーは、単剤投与で承認を得ているが、抗癌剤治療では併用療法が標準的。今後、併用療法としての位置づけも検討が進みそうだ。18日の発売会見で、愛知県がんセンター名誉総長の大野竜三氏は、「抗癌剤治療は、単剤では効果が小さいので、アラノンジーが他の抗癌剤と併用できるかどうか、検証していくと共に、初発例から投与できるかどうかの臨床研究も必要になる」との考えを示した。

 今のところ、ALLの標準治療であるステロイド+ビンクリスチン+ダウノルビシン+ロイナーゼの4剤併用療法に、アラノンジーを上乗せした効果については、世界的に見てデータは得られていない。また研究も進んでいない。患者数が極めて少ないためで、当面は再発・難治例に対する単剤の投与成績を待つ必要があるが、将来的には、初発例からアラノンジーと既存薬の併用療法を行う方向が探られることになりそうだ。



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