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大日本住友製薬の宮武健次郎社長は、大阪市内のホテルで開いた記者懇談会で、アムロジン(Ca拮抗薬)のOD錠への切り替えを、今年度中に60%まで推進すると、意気込みを語った。アムロジンは今年7月に特許切れとなることから、既にOD錠への切り替えが図られている。宮武社長はOD錠への切り替えが「昨年12月単月で40%を突破した」とし、さらに加速させる方針だ。また、07年度第3四半期連結業績について触れ、売上高は通期目標の74.6%、営業利益、経常利益、当期純利益は共に80%以上の進捗率が得られているとし、順調に推移していることを報告した。
アムロジンのOD錠への切り替えについて、宮武社長は「OD錠は、嚥下困難な患者さんや高齢者、小児だけではなく、水分量を制限している場合など幅広いケースで役立っている」と説明。さらに「ARBはアムロジンと最も併用処方が多い薬剤。来期上市予定のイルベサルタン(ARB)をアムロジンとうまくコラボレーションすることで、イルベサルタンの早期大型化を図り、アムロジンの後発品による影響をカバーしたい」と述べた。
1月25日に承認された統合失調症治療剤ロナセンについては、「薬価収載後4月に新発売する予定で、当社の中枢専任MR100人と共同プロモーションする吉富薬品のMR200人で、精神領域に特化した営業活動を展開したい」と話した。精神科領域の薬剤開発では、同社の海外戦略の足がかりとなる統合失調症治療剤ルラシドンの臨床試験も、「順調に進捗している」とした。
武田薬品の「アムジェン日本法人」、アステラスの「アジェンシス」、エーザイの「MGIファーマ」買収など、国内製薬企業においてバイオ医薬品開発競争が厳しさを増しているが、宮武社長は「当社では、イギリスロンドンにあるバイオベンチャーファンドのアポジットに投資し、人材も送っている。有力と思われるシーズにはアポジットを通して投資し、その発掘に努めている」と、戦略を語った。
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