ICH(医薬品規制調和国際会議)のGCPガイドライン(ICH-E6)が20年ぶりに改訂される。昨年11月の大阪会合で合意し、日本でも来年3月にGCPガイダンス改訂か事務連絡での対応が行われる予定で、いよいよ本格的に動き出すようだ。治験のグローバル化や治験実施計画の複雑化という環境変化に直面する中、効率的で高品質な治験実施体制を構築していくための品質マネジメントの確立が課題だ。2日に名古屋市で開催された「第17回CRCと臨床試験のあり方を考える会議」のシンポジウムでは、シンポジストから治験でリスクが高い項目を事前に設定し、項目の重要度に応じて管理手法を考える「リスクベースドアプローチ」(RBA)を導入し、医療機関と製薬企業が一緒になってプロセスを構築していく重要性が指摘された。
医薬品医療機器総合機構(PMDA)信頼性保証部の酒井亮祐氏は、ICH-GCP改訂での重要点として、「被験者保護や治験結果の信頼性確保において、RBAの考え方が明記され、全ての臨床試験データでの完全性を求めていないことが追記された」と紹介。治験の品質を保証するモニタリングについては、リスクベースドモニタリングの導入や中央モニタリングとの併用などが推奨される中、今後のGCPの適合性調査にあたっては、「国民一人ひとりへの説明責任がポイントになる。そのアプローチで被験者保護と治験結果の信頼性が確保できているかの説明を求めることになる」と選択したモニタリング戦略の根拠が重要との考えを述べた。
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