カメラメーカー大手のニコン完全子会社で、再生医療向け細胞生産のグローバル大手であるスイスのロンザとの業務提携により2015年に設立した「ニコン・セル・イノベーション」(NCLi)は、米バイオ企業のアサーシスとの間で、脳梗塞治療を目的に開発中の体性幹細胞再生医薬品「MultiStem(マルチステム)」の商用化に向けた受託製造契約を締結し、国内向けの再生医療用細胞の製造受託サービスを本格展開する。マルチステムについては、再生医療ベンチャーのヘリオスが国内で急性脳梗塞を対象とした国内第III相試験を実施中で、2019年に申請する予定。NCLiの中山稔之社長は、横浜市で開催された「バイオジャパン2017」で講演し、「マルチステムは、かなりの製造量が将来的に期待される大型製品。われわれの第一歩として、受託生産という形で世の中に貢献していきたい」と意気込みを示し、製薬企業向けの受託を拡大したい考えだ。
ニコンは、一眼レフカメラを販売する以前から、顕微鏡の設計・販売を通じた細胞観察の実績があり、07年からはiPS細胞などライブセル(生きた細胞)向けの細胞培養観察装置「BioStation CT」の販売を開始。ニコンのコア技術である光学技術と画像解析技術による細胞品質評価ソリューションを展開してきた。
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