◆厚生労働省の官僚が講演で示したスライドに、中央行政を担う者の危機意識を感じた。日本の人口は既に峠を越え、年を追うごとに減っていく。税収減が見込まれる一方、高齢化の進行によって年金、医療、福祉に必要な社会保障費は右肩上がりで増加する
◆「それゆえに医療費の増加をどう抑えるかをみな必死に考えている」と官僚は訴えた。その口調には強い緊迫感が伴っている。脅しでもなんでもない、と言わんばかりの勢いだ
◆医療従事者はこの危機意識を共有しているのかと疑問に思う。医科、歯科、調剤の診療報酬の分配率は概ね一定だ。2年に1回の改定があっても、それぞれの取り分の中で調整するだけで全体的には大幅な減収にはならないと見越しているのではないか
◆人口減と社会保障費増が交差するグラフを見れば、従来の枠組みは長続きしないと実感する。いかに小さい労力や費用で、いかに高い効果を上げるかが重要だ。医療従事者が自ら率先して医療の効率化に取り組まないと、いつか大ナタが振るわれる。
危機意識の有無
2017年12月11日 (月)
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