大阪大学と和光純薬は1日、疾患分子情報解析学の研究を目的とした「共同研究講座」を、大阪大学医学系研究科(保健学専攻)に開設した。期間は2013年3月31日まで。
■乳癌マーカーの探索など推進
共同研究講座は、阪大が06年4月に日本の大学として初めて設けた制度で、大学と企業が協議し講座を運営するもの。大学が主体になって運営する寄附講座とは異なる産学連携の新しい形態。大学と企業の研究者が対等の立場で共同研究を行い、優れた成果を出すことを目的としている。阪大ではこれまで11の「共同研究講座」を開設しているが、医学系研究科に設置するのは今回が初めて。学内でも注目を集めている。
今回設置される講座は、種々の疾患の早期診断、予防、さらに治療指針につながる病態関連情報を分子レベルで解析し、新規の医療技術として応用・開発を目指していく。従来の既成概念を打ち破る斬新な視点から、病理学、生化学、分子生物学、細胞生物学などの技術を統合し、新たな疾患マーカー、病態情報について研究を進める。さらに、その成果を医療技術に発展するまで研究を続けることも視野に入れている。