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【大阪大学】PKDプロジェクト、開発途上国用の注射器を開発

2008年4月23日 (水)

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ワクチン注射器

 大阪大学が取り組むPKD(Peace-Keeping Design)プロジェクトは17日、大阪市の同大中之島センターで記者会見を行い、開発途上国でも適正に使用できるワクチン注射器(2種類)や、災害医療支援システムのデザインプロジェクトが具体的に動き出していることが明らかにされた。同プロジェクトは、PKDが理念とする「地球環境に関する多様かつ複雑な諸問題をデザイン主導で解決する」ための事業の一環として推進されているもの。

■紙カバー付は治験を実施

 プロジェクトは、川崎和男(大阪大学大学院工学研究科先端デザイン学際化戦略サイト教授、大阪大学病院未来医療センター兼任教授)、澤芳樹(大阪大学大学院医学系研究科外科学講座心臓血管外科学教授、同病院未来医療センター長)の両氏が代表を務め、阪大病院未来医療センターのバックアップを得て2006年12月から本格的な活動をスタートしている。顧問には、平野拓夫金沢美術工芸大学名誉教授らが名を連ねる。

川崎氏
川崎氏

 PKDの活動趣旨について川崎教授は、「これまでの平和維持活動(PKO)や平和維持軍(PKF)による活動には限界がある」と強調。その上で「真の世界平和実現は、デザインの手法論に基づく問題解決と計画の具現化が最良である」と訴えかけた。

 PKDプロジェクトは、戦禍、貧困、環境破壊など、人類と地域にとって困難な課題を対象とする。現在、具現化されているデザインシステムは、ワクチン注射器と災害医療救援システムだ。

 ワクチン注射器は、注射後、紙のベースで針を挟み込んでカバーすることで、使用後から廃棄に至るまでの安全な取り扱いができるもの(写真)と、使用前の針がカプセルに収納されている2タイプが開発されている。

 いずれも、開発途上国における保存・管理体制や医療レベル、使用済みのシリンジによる二次感染をクリアしたもので、製造・配送・管理・廃棄に至る全てのプロセスの総合的な構築を可能とする。

 紙のベースで針を挟み込んでカバーするタイプの注射器は、量産に向けた製造の最適化が検討されており、08年度内に製造設計が行われ、その後治験が実施されるスケジュールにある。なお、同注射器については、現在、タイの公衆衛生局と配布を含めた話し合いが進められている。

■災害医療にも取組む”ICタグ利用を目指す

 一方、災害医療救援で活用されているトリアージは、被災地における多数の傷病者に対して、傷病の重症度で治療優先度を決定するシステムだ。

 だが、現在の▽死亡及び不処置群▽最優先治療群▽非緊急治療群▽軽処置群――で4分類されているトリアージの選別基準システムは、混乱を引き起こす要因になっている。

 そこでPKDでは、▽死亡及び不処置群▽要治療群▽軽処置群――の3段階の設定優先度を用いるタグをデザインすることで、医療従事者の判断の均質化と、要治療群への適切な治療行為の実現を目指している。しかも、同タグは、病院で適応症などを入力できるICを実装した優れもので、災害医療に大きく寄与するものと期待されている。

 今後の活動について川崎教授は、「国内企業・団体からの協力を得て、PKDプロジェクトを国家規模のデザイン運動へと発展させたい」と強調。さらに「実施に向けた国際機関との連携体制の確立、パートナー企業とのプロダクト開発についても、ますます熱意をもって取り組んでいく」と抱負を述べた。

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