厚生労働省は6月29日、日本臨床検査薬協会がまとめた「便潜血キットに関する一般用検査薬ガイドライン」案を薬事・食品衛生審議会医療機器・体外診断薬部会に報告した。一般用便潜血キットを製造販売するに当たっては、イムノクロマト法により簡便に糞便を採取でき、最小検出感度はヘモグロビン濃度として50ng/mLとすることなどの条件を満たす必要があるとした。委員からの意見書で「業界の意見が強く反映されており、適切なガイドライン作成手順とは言い難い」との指摘が出たことから、厚労省は10月に開催予定の部会で再度議論する考えだ。
同キットは、糞便中の血液を検出することで大腸ポリープなど大腸疾患の早期発見を補助する一般用検査薬。癌、大腸ポリープ、潰瘍などの大腸疾患は粘膜の出血を伴うケースが多く、肉眼で識別できない程度の血液が糞便に含まれることがある。便潜血検査は、糞便中に含まれる血液を検出することにより、下部消化管出血の有無を確認する検査法。測定方法は、化学的便潜血検査と免疫学的便潜血検査(イムノクロマト法)の2種類があるが、ガイドラインでは測定原理として特異性の高いイムノクロマト法を採用することとした。操作方法は、糞便を採取し、検査を簡便に行うことができるものと明記。判定方法は、検査キットにおける判定ラインの有無により判定することとされた。
検査は必ず2回実施することとし、1回目の検査で陽性だった場合は受診を推奨し、陰性だった場合は別の日にもう一度検査を行う2日法を推奨している。
* 全文閲覧には 薬事日報 電子版 » への申込みが必要です。