日本薬学会関東支部は、市民講座「くすりと健康2018秋季講演会」を10月13日午後1時30分から、横浜市日吉の慶應義塾大学日吉キャンパスで開く。
講演会では、高知県南国市の医療法人つくし会南国病院薬剤部の川添哲嗣氏による「在宅医療と薬剤師―認知症・がん緩和ケア・フレイルケース」が行われる。少子高齢社会の到来と同時に、認知症と癌患者の増加も顕著で、在宅医療の必要性が多く語られている。川添氏は、このような時代の中で、在宅医療における薬剤師の役割を三つのカテゴリーで紹介しつつ、認知症やがん緩和ケア、そしてフレイル(虚弱)高齢者への対応について示す。
三つのカテゴリーは、「薬」「患者」「連携」。「薬」では、残薬の発生原因や調剤錠の工夫、服薬指導の方法とポイントについて紹介すると共に、特に認知症高齢者への服薬支援は重点的に示していく。「患者」では、薬が飲めたために出るのが「効果と副作用」であることから、誰もができるモニタリングポイントを示しつつ、薬剤師の薬学的な思考過程を紹介する。「連携」では、薬と患者の情報を医師や多職種と共有し、患者にとって最適な治療を提案していくことが求められることから、そのポイントを示す。
また、星薬科大学薬物依存研究室の鈴木勉氏による「がんの痛みからの解放―医療用のモルヒネを誤解していませんか?」も行われる。癌は誰でもが罹患する病気で、定期的な検診を行い早期発見、早期治療に心がけなければならない。進行癌の場合、3分の2の患者に痛みが発現するが、この痛みは我慢してはいけないといわれている。痛いときには「痛い」と家族や医療者に伝えることが大切となる。鈴木氏はWHO方式のがん疼痛治療法を報告する。
参加費は無料、定員は200人。
問い合わせは、同学会関東支部事務局(TEL03-3406-9129、FAX同3498-1835、E-mail:kantoshibu@pharm.or.jp)