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循環器、精神疾患、脳疾患治療薬が5~7%増加‐富士経済が市場概況まとめる

2006年04月07日 (金)

 富士経済は、循環器官用剤、感染症治療剤、精神疾患治療剤、脳疾患治療剤、消化器官用剤の医療用薬5薬効領域の2006年の市場動向調査結果をまとめた。それによると、高齢化、生活習慣病の増加、ストレス社会を反映して循環器、精神疾患、脳疾患(抗認知症薬など)は、05年に比べそれぞれ5~7%程度伸び、その一方、DPCなどの影響で感染症は微減、消化器も減少の見込みとなった。

 調査は、同社が今年1~3月にかけて、関係企業に対する面接、電話調査で行った。その結果は「2006医療用医薬品データブック」No.1(循環器官用剤、感染症治療剤)とNo.2(精神疾患治療剤、脳疾患治療剤、消化器官用剤)にまとめられた。

 疾患別で、今後の伸びが期待される「注目市場」としては、統合失調症治療剤(06年度見込み911億円、13%増)、片頭痛治療剤(同110億円、15%増)、抗認知症剤(同700億円、6%増)を挙げた。

 5薬効領域の調査結果の概要は次のとおり。

 【循環器】06年見込み1兆1759億円、6%増。心筋梗塞や脳梗塞などの発症リスク抑制がアピールされている降圧剤が市場を牽引。同剤以外は、特に急性期疾患の市場は、医療費削減によるDPC、ジェネリック医薬品へのスイッチが進んでおり、患者数は増加しているが横ばいか微増。ただ、循環器系疾患は加齢との関係性が強く、患者数は着実に増加することが見込まれる。

 【感染症】同6137億円、1%減。市場の60%を占める抗生物質が、DPCの推進により注射剤を中心にジェ根ノック医薬品への切り替えが行われていること、耐性菌の懸念から処方量が減少し、市場は縮小傾向。

 【精神疾患】同3660億円、7%増。近年は精神疾患系疾患への理解が進み、受診患者も増加傾向にある。複雑化する社会環境やストレスにより睡眠障害や不安障害、うつ病、片頭痛などの症状に悩む患者は増加傾向にある。統合失調治療剤、抗パーキンソン病治療剤などは、新製品の発売や適応拡大や市場が活性化に転じている。

 【脳疾患】同1197億円、5%増。抗認知症治療剤は、今後も確実な患者増加が見込まれることから拡大が続くと予測される。脳血管障患者は高齢化や食生活の欧米化などで、一部疾患の患者は増加しているものの、全体の患者数は減少傾向にある。

 【消化器官】同5392億円、4%減。市場の65%を占めている上部消化管疾患治療剤市場が伸び悩み、市場全体では微減。

 しかし、肝疾患治療剤ではウイルス性肝炎治療剤で、日本人に発症頻度の高いC型慢性肝炎をメインに適応を持つ「ペグイントロン」と「レベトール」が前年の10倍にあたる売り上げとなったため、肝疾患治療剤全体の市場は拡大した。

 膵疾患治療剤は微減。炎症性腸疾患治療剤は、患者数の増加によって堅調に拡大。胆道疾患治療剤、過敏性腸症候群治療剤などを中心とする、その他腸疾患治療剤・下剤も微増となった。

 データブックは富士経済から販売されており、価格はNo.1、No.2とも各16万8000円。2冊セット31万5000円。



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