厚生労働省は6日、「第91回薬剤師国家試験」の合格者を発表した。受験者数1万1046人のうち合格者数は8202人で、合格率は74.25%だった。合格率が70%台に戻ったのは2年ぶりで、過去10年間では83回(98年実施)の72.74%に次ぐ、低い数字となった。新卒者だけの合格率に限っても85.16%で、前年の93.29%と比べて低下した。大学別ではトップは福山大学の90.76%で、唯一合格率が9割を超えた。
合格者数を男女別に見ると、男性が受験者4647人のうち合格者3112人(合格率66.97%)、女性が受験者6399人のうち合格者5099人(79.54%)であった。前年と比べると、合格率は男性で11.15ポイント、女性で9.44ポイントそれぞれ低下した。また、例年通り、合格者全体の6割強を女性が占めており、今回は女性の合格率が、男性に比べ12.57ポイントも上回る結果となった。
大学の設立主体別では、国立大が受験者1514人のうち合格者が1024人で合格率67.64%、公立大が受験者423人のうち合格者は305人で合格率72.10%、私立大が受験者9088人のうち合格者6869人で、合格率75.58%で、例年通り、私立大学が優位の傾向が今回も見られた。
合格率を大学別に比較すると、最も合格率が高かったのは、福山大学で90.76%。以下、近畿大学88.82%、共立薬科大学87.16%、北海道薬科大学86.32%、明治薬科大学85.75%――と続いており、上位は私立大学が占めた。私立大学29校のうち、前年は11校の合格率が90%台に達していたが、今回は90%を超えた福山大学1校のみ。逆に、合格率が低い大学は、第一薬科大学34.12%、東京大学50.91%、大阪大学56.25%、京都大学58.73%、名古屋市立大学59.84%などと国立大学が多かった。