大阪大学大学院医学系研究科病態病理学の森井英一教授は、8月29日に都内で講演し、癌のバイオマーカーに基づく医薬品開発について、「患者全員に同じ治療を施す画一的な治療から、患者一人ひとりに適した治療を施すプレシジョン・メディスンに移行している」と指摘。日本でも次世代シーケンサー(NGS)によって個人ゲノムや生体分子情報を分析し、膨大なデータから薬剤が奏効する患者集団を再定義する「NGSパネル」の開発が進んでいるが、「NGSによって癌のバイオマーカーが増えてくる。癌医療のパラダイムが大きく変わるステージに来た」と期待感を示した。
癌化した細胞の遺伝子を調べ、どの治療が効きやすいか調べる個別化医療がトレンドになっている。ただ、抗癌剤投与前にコンパニオン診断薬でバイオマーカーを測定し、薬効が期待できる患者に薬剤を投与する流れにあるとはいえ、癌を引き起こすドライバー遺伝子は138種類しか報告されていない。
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