東京大学消化管外科学の瀬戸泰之教授、国立成育医療研究センターの五十嵐隆理事長、癌の早期診断法「N-NOSE」の開発を手がけるベンチャー「HIROTSUバイオサイエンス」(ヒロツバイオ)代表取締役の広津崇亮氏らは、生物が有する能力を診断技術に応用することを目指した「日本生物診断研究会」(JSBD)を設立した。N-NOSEで用いる「線虫」など、高性能センサー機器では診断が難しい早期段階の疾患に対して、生物の能力を生かした診断技術を研究会などで紹介し、社会的な啓発を進めると共に、実用化を想定し、診断技術を評価するための臨床試験をどう行うべきか、エビデンス構築を目指していく。
病気の早期診断をめぐっては、高性能センサー機器の開発、改良が行われてきたが、それでも性能面で限界があり、癌などの診断では早期発見が難しい現状にある。同研究会では、生物の嗅覚など従来の診断機器では捉えられない早期の癌を判別する新たな診断技術として応用していく社会の実現を目指している。
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