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田辺三菱製薬は、19日より遺伝子組み換えアルブミン製剤「メドウェイ注25%50mL」「同5%250mL」の販売を開始した。アルブミンの遺伝子組み換え製剤は、欧米でワクチンなどの添加剤としては承認されていたが、アルブミンの補充を目的とした治療用では世界初になる。遺伝子組換えアルブミン製剤は、連結子会社のバイファ(本社・千歳市、社長森本裕紀氏)と共同開発したもの。
田辺三菱製薬は、1981年から未知の感染性物質に対する安全性確保と血漿分画製剤の国内自給化の推進を目的に、遺伝子組み換え技術を応用した人血清アルブミン製剤の開発に着手してきた。
従来のアルブミン製剤は人の血漿を原料としており、日本ではその半数を輸入に頼っていた。新発売された「メドウェイ」は、人血漿を用いず、遺伝子組み換え技術を使ってピキア酵母で産生、精製した製剤で、高純度の人血清アルブミンの大量製造と供給が可能となった。また、製造工程でウイルスやプリオン等の感染性物質混入の恐れがある動物由来原料を使っていないため、感染リスクが少ないというメリットがある。
同剤の共同開発先で唯一の製造設備を持つバイファが製造を行い、連結子会社のベネシスともプロモーション提携し、田辺三菱製薬が販売を行う。
薬価は、「メドウェイ注25%50mL」1瓶、「同5%250mL」1瓶共に9602円。
今後の販売方針については、製造販売後調査(最長3年)を最優先に行い、慎重かつ適切なプロモーションを実施することで、日本におけるアルブミン製剤の自給化推進を図ることにしている。