OTC禁煙補助薬で初の貼付型「ニコチネルパッチ」を発売 ノバルティスファーマ

2008年06月02日 (月)
新発売のOTC禁煙補助薬「ニコチネルパッチ」
新発売のOTC禁煙補助薬「ニコチネルパッチ」

 ノバルティスファーマは、世界禁煙デーの5月31日から、一般用医薬品(OTC)の禁煙補助薬「ニコチネルパッチ」を新発売した。上腕部、腹部あるいは腰背部に貼付し、ニコチンを皮膚から吸収させることで、禁煙時のイライラや集中困難などのニコチン離脱症状を和らげ、禁煙を成功に導く。日本のOTC禁煙補助薬で、貼付型は「ニコチネルパッチ」が初めて。

 ニコチン貼付剤は、1990年にスイスのノバルティスファーマが発売して以来、「ニコチネル」ブランドの名称で、これまで医療用とOTC医薬品を合わせて、世界70カ国以上で承認・販売されている。日本ではノバルティスファーマが99年に医療用医薬品「ニコチネルTTS」を発売、国内の臨床現場での使用経験を持つ唯一の貼付タイプの禁煙補助薬として、発売から9年にわたり、禁煙治療において重要な役割を担ってきた。

 「ニコチネルパッチ」は、経皮吸収治療システム(TTS:Transdermal Therapeutic System)により、禁煙に必要なレベルのニコチンを安定して放出するOTC医薬品。形状も衣服に引っかかりにくい円形のため、剥がれにくく、1日1回貼付するだけの簡単な使用方法(ニコチン置換療法)で、禁煙をサポートする。

 特殊な5層構造(ライナー、粘着層、薬物貯留層、マトリックス層、支持体)。中央にニコチンを含有する薬物貯留層があり、これを包み込む形でマトリックス層がある。このマトリックス層が長時間にわたって、禁煙に必要なレベルのニコチンを安定的に放出する独自のTTSを採用している。

 1枚(薬物有効面積20cm2)中にニコチン35mgを含有する「ニコチネルパッチ20」と、1枚(同10cm2)中に17・5mgを含有する「ニコチネルパッチ10」の二つからなる禁煙プログラムで、約2カ月で無理のない禁煙へと導く。最初の6週間はニコチネルパッチ20を、次の2週間は同10を、それぞれ1日1枚、起床時から就寝時まで貼付する。6週間を終了した時点でイライラなどの症状がなくなり、禁煙を続けられる自信がある場合は、禁煙プログラムを終了しても構わない。

 貼付剤は内袋の中に1枚ずつ入っており、子どもが簡単に開けられないよう、包装がチャイルドプルーフ仕様となっているのも特徴。袋の裏面に点線が書かれており、点線に沿ってハサミで切って、パッチを取り出す。点線と共にハサミのマークを入れていないのは、マークが描かれていると、子どもによっては切るという意味を理解して開けてしまうことから、それを防止するため。

 税込み希望小売価格は、「ニコチネルパッチ20」が7枚入り2940円、14枚入り5670円、「同10」が7枚入り2625円、14枚入り5040円。なお、「ニコチネルTTS」はこれまで同様、医家向け販売が継続される。

 06年の国民健康・栄養調査による喫煙率は23・8%で、これに基づいた日本の喫煙人口は約3000万人と推測されている。現時点でのOTC禁煙補助薬は、ガム剤の「ニコレット」シリーズがあるだけで、市場は約70億円規模(小売ベース)とされる。4月には、今回の「ニコチネルパッチ」のほか、グラクソ・スミスクラインの「シガノン」、ジョンソン・エンド・ジョンソンの「ニコレットパッチ」が承認されており、これらが順次発売されることで、禁煙補助薬市場の拡大が見込まれる。

 発売前の5月29日に、ノバルティスファーマは都内で新製品発表会を開催し、「現在のOTC禁煙補助薬市場が、今後は倍にはなっていくと思う。海外の状況を見ると、パッチとガムは大体1対1くらいの市場規模の割合となっている。拡大が予想される禁煙補助薬の中で、パッチタイプのカテゴリーでNo.1のシェアを目指していく」(菊池加奈子OTC事業部長)との期待を述べた。



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