フィリップス・ジャパンは、新設計の16スライスマルチスライスCT「Access CT」の販売を開始した。同装置は、誰でもがアクセスしやすいCTをコンセプトとし、低被曝、信頼性の高い画像の提供、コストパフォーマンスに優れているなどの特徴を持つ。小規模医療機関での導入と地域医療連携への貢献などが期待できる。
同装置は、専用に開発された3.5MUHのX線管球を採用し、体格の大きな患者や連続撮影にも対応可能なパワーを備えると共に、初期導入や交換に関わるコストを抑えられるコストベネフィットを実現している。また、体格が小さく内臓脂肪が少ない乳幼児は、通常の管電圧120kVpで撮影した場合はコントラストがつきにくいため、新しく70kVpの選択が可能など、幅広い臨床ニーズに対応する一貫性のある画像を提供できる。
CT装置運用の最大コストであるX線管球の交換頻度を減らすため、最上位機種にも搭載されている逐次近似画像再構成法であるiDoseを採用、撮影線量を下げても画質が維持できるなど、X線管球の長寿命化を図った。一連の検査を自動化するiFlowにより、必要な画質を保つためにオペレータ間に生ずるばらつきを抑えるなど、安定した画像を提供できるようにした。
スムーズなシステム導入をサポートするため、iFlowの自動化インターフェースは、オペレーショントレーニングをより短期間にすることが可能で、迅速な運用開始が図れる。さらに、24時間体制で連続モニタリングができるため、日常業務に影響しかねない問題が解決でき、患者ケアに集中できるといった特徴がある。リモートサービスを活用することでエンジニアの訪問前に不具合の原因が解決でき、問題が発生しても短時間で復旧できる。