塩野義製薬の手代木功社長は9日、大阪市内で開いた決算説明会で、抗インフルエンザウイルス薬「ゾフルーザ」の薬剤耐性株出現をめぐって同剤の使用抑制を促す声が医師から聞かれる中、「一部分のデータを切り取って、それで何かものを論じるのは危険度が高い」と指摘した。「ひと冬かけて収集した十分なデータに基づき、ゾフルーザにはどんなメリットがあり、どんな患者やウイルス株には注意が必要なのかを、次のシーズンが始まるまでに情報提供したい」と語った。
キャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害する新たな作用機序を持つゾフルーザは、1回の経口服用で済むこともあって、発売後初のフルシーズンとなる今冬に早くも多数の医療機関で処方されるようになった。しかし、使用拡大に併せて同薬の耐性ウイルス出現が問題視され、関連学会などで医師から使用抑制を促す意見が聞かれるようになった。
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