原子力規制委員会の「安定ヨウ素剤の服用等に関する検討チーム」は、原子力発電所事故での甲状腺被曝を防ぐ安定ヨウ素剤について、国内の原発周辺地域の薬局でも事前配布を認める新たな案をまとめた。これまでは、原発周辺地域の地方公共団体が開催する「医師による住民への説明会」に参加して入手する必要があったが、説明会の開催を原則とした上で、自治体と地域の医師会・薬剤師会が協議すれば、「地域の薬剤師会会員がいる薬局」でも受け取れるようにし、配布率の向上につなげる。意見公募を経て早ければ6月にも正式決定し、配布マニュアルを改正する。
甲状腺被曝は、原発事故で放出された放射性ヨウ素が体内に取り込まれ、甲状腺に集積することで起き、甲状腺癌などを引き起こす恐れがある。ただ、放射性ヨウ素にさらされる前の24時間以内か、さらされた直後に安定ヨウ素剤を服用すれば、甲状腺への放射性ヨウ素の集積を90%以上減らすことができ、癌の発症予防が期待できる。
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