大日本住友製薬は28日に造血幹細胞移植前治療薬「リサイオ点滴静注液100mg」(一般名:チオテパ)を新発売する。小児悪性固形癌の自家造血幹細胞移植における前治療で、メルファランとの併用で使用する。
リサイオは、エチレンイミン系に属する抗腫瘍性アルキル化剤で、DNA合成阻害作用を示し、血液脳関門を通過するため速やかに中枢へと移行するのが特徴。有効成分のチオテパは、もともと1958年に住友化学工業(現:住友化学)が「テスパミン注射液」として販売を開始していたが、原薬供給が中止されたことにより、2010年に承認整理されており、現在まで国内で販売されていなかった。
12年に「医療上の必要性が高い未承認薬・適応外薬検討会議」で医療上必要性が高いと判断され、13年9月に大日本住友が厚生労働省に開発の意思を申し出て、16年11月から薬物動態試験として国内第I相試験を実施していた。
現在、「悪性リンパ腫における自家造血幹細胞移植の前治療」の適応でも効能・効果の追加の一部変更承認申請を行っている。