8月24、25日に大阪市内で開かれた日本薬学教育学会大会のシンポジウムで、実務実習における8疾患への取り組みをめぐって、薬系大学教員と現場の薬剤師の間で意見が交わされた。今年2月に始まった新たな実務実習で、薬学生は癌や心疾患、糖尿病など代表的な8疾患の患者に継続的に関わることが求められている。疾患を広く学べるといった評価がある一方、全疾患を網羅することが主目的になっているケースもあるようだ。現場の薬剤師から「8疾患の網羅にとらわれるべきではない」との意見も出た。
鈴木匡氏(名古屋市立大学大学院薬学研究科教授)は、「学生と患者の接点が初回面談や服薬指導の見学にとどまる施設もある」とし、8疾患の実習の質は施設によってバラついていると指摘。「一つの疾患を深くやるか、多くの疾患数をこなすか、実習現場の意見も含めた精査が必要。全ての実習期間が終わった段階で学生に満足度を聞いてみる必要がある」と話した。
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