米食品医薬品局(FDA)は2019年8月27日、パーキンソン病(PD)治療薬Nourianz(一般名イストラデフィリン、日本での製品名ノウリアスト)について、レボドパ含有製剤の効果の持続時間が短くなるウェアリングオフ現象を呈する成人PD患者におけるレボドパ/カルビドパとの併用療法を適応症として承認したと発表した。
同薬の用法・用量は1日1回20mgだが、症状により1日1回40mgを投与できる。ただし、CYP3A4を阻害する薬剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシンなど)を服用中の患者や中等度の肝機能障害を有する患者では、1日1回20mgを上限とすることが推奨されている。Nourianzに関する安全情報では、こうした患者においては同薬の使用を避けるべきであるとされている。
NourianzはアデノシンA2A受容体拮抗薬であり、レボドパ/カルビドパ投与を受けているPD患者のオフ症状に対する有効性は、累計1,143例を対象に実施された12週間にわたる4件のプラセボ対照二重盲検比較試験において検討された。その結果、Nourianz服用群ではプラセボ群に比べ、1日のオフ時間がベースライン時から有意に短縮したことが確認された。
報告の多かった副作用には、ジスキネジア、めまい、便秘、悪心、幻覚および不眠などがある。FDAは医師に対して、Nourianzを服用中の患者におけるジスキネジアの発現や進行をモニタリングすべきであると注意を促している。また、幻覚、異常行動、衝動行為や強迫行動などを認めた場合はNourianzの減量または投与中止を検討すべきこと、さらに、妊娠中のNourianzは禁忌であり、妊娠する可能性がある女性については、服用期間中は避妊法を用いるべきともしている。なお、承認は協和キリンに対して与えられた。(HealthDay News 2019年8月28日)
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https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-approves-new-add-drug-treat-episodes-adults-parkinsons-disease