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医師や本府省職員は人材確保を
人事院は11日、国家公務員給与である月例給(基本給)、ボーナス(期末・勤勉手当)を据え置くよう国会と政府に勧告した。据え置かれたのは2006年以来2年ぶり。勧告通り実施されれば、行政職(一)の月例給は平均で38万7506円(平均年齢41・1歳)となる。また、医師の人材確保のため、給与を引き上げるほか、本府省の人材確保のための手当を新設する。
国家公務員の給与は、官民格差是正のため、民間企業の給与実態に合わせる「民間準拠」で行われている。人事院では、勧告の参考にするため、全国約1万1000の事業所(約44万人)を対象に、定期昇給やベースアップ、ボーナスや各種手当の支給状況などを調べた結果、月給については民間との格差が136円(0・04%)と極めて小さく、ボーナスも公務員の4・50カ月とほぼ均衡していたため、改定を見送った。
ただ、国の医療施設における勤務医の確保が重要課題となる中、「国の医師の給与は民間病院や独立行政法人国立病院機構に勤務する医師の給与を大きく下回っている」とし、若手・中堅医師の人材確保のため初任給調整手当を改定し、年間給与を独立行政法人国立病院機構並みに平均で11%引き上げる方針を示した。
国立高度専門医療センター(ナショナルセンター)等に勤務する薬剤師の場合は、栄養士などと共に医療職俸給表(二)が適用される。今年の国家公務員給与等実態調査では、適用職員数は薬剤師を含め996人で、前年より24人増加した。平均年齢は41・9歳、平均経験年数は18・4年、男女比では男性が66・5%だった。
薬剤師の初任給は医療職俸給表(二)の2級1号俸で17万8200円。これに対し今年の民間給与実態調査では、薬剤師の初任給は企業規模100人以上500人未満で21万0552円、500人以上で20万4156円と、依然として大きな開きがある。
また、本府省の人材確保のため、課長補佐、係長および係員を対象とした「本府省業務調整手当」を新設する。関係府省との調整をはじめ、国会対応など本府省業務の特殊性などから、本府省に必要な人材の確保が困難になっている事情を考慮したもの。現行の本府省の課長補佐に対する俸給の特別調整額を廃止した上で、手当を新設する。
一方、原則1日8時間と定められた国家公務員の勤務時間を民間企業の実態に合わせ、09年度からは15分短縮し、7時間45分にするよう勧告した。
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