中外製薬R&Dポートフォリオ部長の広瀬稔氏は23日に開催した決算説明会で、新型コロナウイルス感染症の重症患者を対象とした抗IL-6受容体抗体「アクテムラ」の国内第III相試験に言及。「患者さんの登録開始に向けて速やかに準備を進めている。今年中の申請を目指している」との見通しを明らかにした。
アクテムラは、同社が創製したIL-6を阻害する抗体医薬品で、関節リウマチなどの治療薬として使用されている。広瀬氏は、新型コロナウイルス感染症が重症化する要因として過剰な免疫応答を挙げ、「免疫応答に関与している物質としてIL-6があり、アクテムラの臨床的な効果が期待されている」との見方を示した。アクテムラの治療対象となる具体的な人数は「把握していない」としつつ、IL-6に関与した過剰な免疫応答を示す割合については、「重症に至った患者全体の19%ぐらいという報告がある」と述べた。
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