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政府の「社会保障国民会議」(座長:吉川洋東京大学大学院教授)は3日、「社会保障制度に関する特別世論調査」結果を公表した。アンケートからは、7割以上の人が現在の社会保障制度に不満を感じていることが明らかになった。負担のあり方では、「高齢者と現役世代双方の負担増はやむを得ない」が50・8%と半数を占め、「高齢者負担を増加させるべきでない」とする27・2%を上回った。この結果は、10月に予定している会議の最終とりまとめの参考にする。
アンケートは、社会保障施策策定の参考とするため、内閣府が7月24日08月3日まで、全国20歳以上の3000人を対象に、聞き取りの形で行われたもので、1822人(回答率60・7%)の回答をもとに分析した。
社会保障制度に対する満足度では、「不満」「やや不満」を合わせると75・7%と、回答者の4人に3人は何らかの不満を抱えていることが分かった。「満足」「まあ満足」を合わせると20・3%で、5人に1人しか満足感を持っていない結果となった。
満足していない分野(複数回答)は、年金が69・7%と最も多く、次いで医療の56・4%、介護が53・3%、少子化関連(出産・育児支援)が42・4%、雇用支援策が41・3%と続く。国民の将来の生活に対する不安や、現在の医療崩壊、介護体制の不備などに不満を持っている現状が浮き彫りになったといえる。
一方、社会保障制度の中で満足している分野(複数回答)は、「特にない」が62・7%を占めた。満足している分野として挙げられたのは、医療が18・7%と二桁の数値を示したが、年金は9・1%、少子化関連が7・8%、介護が6・0%,雇用対策5・2%と、軒並み一桁台と低い結果だった。
給付と負担のバランスでは、「給付水準を保つために、ある程度の負担の増加はやむを得ない」が42・7%と多く、「水準をある程度下げても従来通りの負担とすべき」の20・0%を上回った。ただ、「水準を大幅に引き下げ、負担を減らすことを優先すべき」は17・2%もあった。
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