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富士経済は今年5月07月にかけてトイレタリー用品28品目の市場調査を実施し、その結果を調査報告書「トイレタリーグッヅマーケティング要覧2008No.2」にまとめた。報告書では、[1]デンタルフロス[2]洗顔料[3]歯磨[4]トイレットペーパー””の4市場に注目。このうち、デンタルフロス市場は、高付加価値商品の投入と使用が喚起されたことなどから市場が拡大すると予測。また洗顔料市場についても、機能向上などを図った商品が需要を獲得するとして、市場拡大すると見込んでいる。
調査の対象となったのは、洗顔料やボディシャンプーなどバス関連12品目、歯磨やデンタルフロスなどオーラルケア関連6品目、トイレットペーパーやトイレ用芳香剤などトイレ関連4品目、ベビー用スキンケアや自動車用芳香・消臭剤などベビー・その他関連6品目の合計28品目。
注目市場として挙げられたデンタルフロス市場は、07年の71億円に対し、08年は8・5%伸びて77億円になると見込んだ。07年はジョンソン・エンド・ジョンソンの「リーチ」に「クリーンペーストやわらかフロス」、小林製薬の「デンタルドクター」に「やさしく入る歯間ブラシ」が追加されるなど、メーカー各社から高付加価値商品の投入が進んだ。それにより、価格訴求傾向に歯止めがかかったこと、デンタルフロスの使用を継続的に喚起したことで使用率も上昇したことなどから、引き続き市場は拡大して前年比4・4%増となった。
また、デンタルフロスは40代以上の口腔ケア意識が高まる層を中心に着実に定着しており、高付加価値商品の投入が進んでいることから、単価も上昇していると分析。デンタルフロスの使用率は30040%とされており、未だ市場拡大の余地を残しているとして、今後もしばらく市場拡大が続くと予測した。
洗顔料に関しては、化粧品系商品(調査対象外)との競合が激しくなっているが、近年は剤形の多様化と機能を向上させたトイレタリー系商品の需要が伸びている。また、洗顔料は美容液やクリームなどと違い、洗い流してしまうことから低価格品への需要が高まっている。
07年は、花王が「ビオレ洗顔フォーム」に「うるおいスクラブin」や泡タイプの「ビオレマシュマロホイップ」、コーセーコスメポートが「ソフティモ」に泡タイプの「エアリーホイップフォームウォッシュ」を追加するなど、相次ぐ剤形の多様化と機能を向上させた新商品の投入で、市場が前年比18・3%増の440億円となった。
08年も剤形の多様化と機能向上が継続的に進められていることから、前年比5・7%増の465億円を見込んでいる。しかし、オイルタイプやジェルタイプなどの新剤形は出揃いつつあり、今後は剤形面での差別化が困難になると予測。仕上がり感やメイク落とし機能といった、洗顔料本来の機能向上が重視されると指摘した。
歯磨きの07年市場は664億円で、08年市場は0・9%増の670億円と見込んだ。90%以上を占める医薬部外品の歯磨きは、「クリニカ」(ライオン)や「オーラツー」(サンスター)がリニューアルされ、06年発売の「ピュオーラ」(花王)も好調で拡大した。一方、化粧品類の歯磨きは新商品が投入されているものの、メーカー各社が市場規模の大きい医薬部外品に注力しているため、実績が縮小した。
使用率が極めて高い歯磨きは、数量ベースでの大幅な拡大が難しいため、今後も高付加価値商品の投下やブランドのリニューアルによる単価の上昇策により、持続的な市場の底上げが図られると予測した。
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