ノバルティスファーマは14日、1日1回投与の多発性硬化症治療薬「メーゼント錠0.25mg、2mg」(一般名:シポニモドフマル酸)を新発売した。二次性進行型多発性硬化症(SPMS)に対する有効性が初めて証明された薬剤。同剤の投与を判定する検査は、保険適用になるまでは無償提供される。
メーゼントは、S1P1とS1P5受容体に選択的に結合するS1P受容体調整薬。S1P1受容体に作用することで、リンパ球がリンパ節から移出することを阻害する。その結果、リンパ球が患者の中枢神経系に移行することが防がれ、抗炎症作用が発揮される。
また、同剤の投与に当たり、遺伝子型を確認する検査を行う必要がある。同剤は遺伝子多型のCYP2C9で主に代謝されるため、CYP2C9遺伝子型の違いに応じて患者への投与量にも違いが生じることが想定される。
検査は、パシフィックブリッジメディカルが8月に承認取得した検査キットを用いて行うが、同キットを使用した検査は保険適用となっていないため、同剤による治療を受けられない患者がいることが懸念されている。
そこで、同キットによる検査が保険適用となるまでの期間、検査費用を負担する無償提供プログラムを実施する。