国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンター薬剤疫学室長の日馬由貴氏は7日、ウェブ上で開いたセミナーで抗菌薬使用量の動向を説明し、「薬剤耐性(AMR)の出現を防ぐため、抗菌薬が多く使用される気道感染症への適正使用を進めることがカギになる」と語った。本来、抗菌薬の投与が不要な非細菌性気道感染症患者の約3割に抗菌薬が処方されているのが現状で、「不要な3割は一気に抗菌薬を削減できる余地がある」と呼びかけた。
日本で抗菌薬が多く使用される疾患のうち、大部分を気管支炎や感冒、咽頭炎などの気道感染症が占めることが、自治医科大学の調査で明らかになっている。非細菌性気道感染症患者への抗菌薬処方割合をAMR臨床リファレンスセンターが解析したところ、処方割合は経年的に下がっているものの、2017年4月の段階でも本来は抗菌薬が不要な非細菌性気道感染症患者の約3割に抗菌薬が処方されていることが分かった。
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