ガルデルマと塩野義製薬は、21日から新有効成分アダパレンを含有する外用尋常性ざ瘡(ニキビ)治療剤「ディフェリンゲル」を新発売した。
同剤は、既に世界80カ国以上でガルデルマが承認を取得し、販売しており、1995年にフランスで発売されて以来、延べ2200万人以上に使用されている。
尋常性ざ瘡を適応とする外用レチノイド製剤の発売は日本では初めて。国内では、ガルデルマと塩野義製薬がコ・プロモーションを展開し、承認から8年間は塩野義製薬が独占販売権を保持する。
ディフェリンゲルは、有効成分であるアダパレンが表皮細胞の核内レチノイン酸受容体に結合。表皮角化細胞の分化を抑制することで、ニキビの前段階となる微小面皰と非炎症性皮疹(面皰:通称、黒ニキビ、白ニキビ)の形成を抑制する。さらに、その後に進展してできる炎症性皮疹(赤いニキビ)をも減少させる。
ニキビは多くの場合、非炎症性皮疹と炎症性皮疹が混在する。日本で200人以上の患者を対象に実施されたディフェリンゲルの第III相試験では、基剤群に比べ非炎症性皮疹数と炎症性皮疹数を有意に減少させる結果が得られている。また、400人以上の患者を対象とした長期安全性試験(最長12カ月)でも、安全性と有効性が確認されている。
現在、国内での外用剤によるニキビ治療は抗菌剤による炎症性皮疹の治療が主流だが、新たな作用機序を持つディフェリンゲルの登場で、選択肢が広がりそうだ。両社では、新たな作用と新規有効成分を含有していることから、発売当初は主に皮膚科の医師に対して医薬情報を提供していくことにしている。薬価は1g117・70円。