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調剤機器メーカーのユヤマは21日、安全性を追求した全自動錠剤分包機「PROUD」(プラウド)を新発売した。錠剤カセットの装着間違いに起因する調剤ミスを防止するなど、世界標準を志向した最新のセーフティマネジメント機構を搭載。業務の省力化に役立つという従来の利点に加え、医療の安全確保に貢献できることを前面に打ち出している。
個々の錠剤カセットにRFIDチップを搭載したことによって、カセットの装着位置が自動的に認識されるため、番号以外の位置にカセットを装着しても、間違いなく分包を行えるようになった。一度にたくさんの錠剤カセットを抜いて充填する際にも、安心して作業できることが大きな特徴だ。
錠剤カセット充填業務の利便性と安全性を高める機構も搭載された。充填時には、まず本体前面から引き出せる専用台に錠剤カセットを置き、RFIDチップを認識させる。その後、充填したい錠剤の薬品外箱に表示されているバーコードの新規格「RSSコード」を本体付属のリーダーで読み取らせると、両者の情報が照合され、一致しなければ警告を発する仕組みになっている。
RSSコードとRFIDチップという異なる媒体を使って認識することにより、2度読みするミスの可能性を排除した。また、RSSコードには今後、有効期限や製造番号の情報が盛り込まれる予定であり、将来の発展性も期待できるという。
薬包印字機構には、払い出した薬品と印字データが完全に同期する「リボルバーユニット」を搭載。薬包には、薬品の払い出し予定データではなく、実際に払い出した実データを印字できる。従って、充填作業時に新たな薬品の有効期限やロットナンバーを入力すると、充填した薬品が分包される薬包に、新たな情報を印字することも可能となった。
このほか、▽5種類の分包サイズの中から最適な大きさを選び出し、自動的に分包できる▽8インチのワイド液晶操作パネルから、緊急時や夜間時の簡易分包が可能▽印字条件に左右されず、毎分60包の分包が可能▽短い分包数を一度に多数処方分巻ける「カセット充填外錠剤対応トレイ」(63コマ)を設け、作業時間を短縮できる――などの特徴がある。
同機は、最小260から最大520まで、カセット数に応じた4種類がラインナップされている。