田辺三菱製薬は10日、アレルギー専用鼻炎薬「タリオンAR」(要指導医薬品)を全国の薬局・薬店、ドラッグストアで発売した。日本で初めてベポタスチンベシルを配合したスイッチOTCで、医療用医薬品と同量を含む。
同品は、アレルギー性鼻炎の3大症状であるくしゃみ、鼻水、鼻づまりに優れた効果を発揮する。速やかに体内に吸収される点が特長。1日2回の服用で24時間効果が持続する。
アレルギー性鼻炎薬特有の副作用が少ない。脳に移行しにくい成分で眠くなりにくいほか、唾液の分泌を減らす抗コリン作用が少なく口が乾きにくい。
昨年、同社が実施したアンケート調査では、花粉症の薬で最も重視する点を尋ねたところ、花粉症患者の88%が「効果の早さ」と回答した。
ベポタスチンベシルは宇部興産が創製し、田辺三菱と共同で開発した第2世代の抗ヒスタミン薬。医療用医薬品のピーク時売上高は薬価ベースで254億円。田辺三菱は2017年に同成分のスイッチ化の承認を取得していたが、市場環境を踏まえこの時期の発売になったという。
スイッチOTCの抗ヒスタミン薬の市場規模は約250億円と大きい。競合品には「アレジオン」「アレグラFX」「クラリチンEX」がある。
希望小売価格(税抜き)は10錠5日分入り1280円、30錠15日分入り2400円。