薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は、アレクシオン・ファーマシューティカルズが開発した発作性夜間ヘモグロビン尿症治療薬「エクリズマブ」など2品目をオーファン指定することを了承した。
発作性夜間ヘモグロビン尿症は、反復性の溶血発作や、持続的な溶血などを特徴とする疾患で、溶血で過剰に遊離したヘモグロビンによって、血小板や血液凝固系の活性化が引き起こされ、血栓症を誘発する。また、腎臓へのヘモグロビン蓄積により、腎炎・腎障害が認められることもある。国内の推定患者数は約430人。エクリズマブは、ヒト化モノクローナル抗体で、溶血を起こすC5補体を阻害する働きがある。
また、乾燥スルホ化人免疫グロブリンの効能追加も了承された。追加予定の効能・効果は、チャーグ・ストラウス症候群、アレルギー性肉芽腫性血管炎における神経障害の改善(ステロイド剤が効果不十分な場合)
国内推定患者数は約500人で、そのうちステロイド治療を行っても神経障害が残る患者は約3割の150人程度。既に同剤は、▽低・無ガンマグロブリン血症▽重症感染症における抗生物質との併用▽川崎病の急性期(重症であり、冠動脈障害の発生の危険性がある場合)▽ギラン・バレー症候群(急性増悪期で歩行困難な重症例)――などの効能で承認を取得している。