山口社長
あすか製薬の山口隆社長は4日、都内で開いた中間決算説明会で、アイスランドの大手ジェネリック医薬品(GE薬)企業「アクタビス」との合弁会社に関して、「重点4領域以外の幅広い領域の製品を取り扱うことで、5年後には30品目を揃えていきたい」との方針を明らかにした。その上で、「将来的には日本で製造した製品を、アクタビスの販売網を通じて世界に打って出る可能性もある」との展望を示した。一方、重点4領域に絞ったあすか製薬のGE薬事業は、通期で売上高70億円台を目指す考えだ。
山口氏は、アクタビスとのGE薬合弁会社「あすかアクタビス」について、「品質と安全性情報が最大のポイント」と指摘。GE薬の品質・安定供給が大きな問題になっていることを踏まえ、「日本の製品は日本で生産するという部分を売りにし、新設するいわき工場で生産したGE薬を、国内市場に提供するビジネスモデルを作りたい」と語った。
その上で、「日本で製造した製品を、アクタビスを通じて世界に打って出る可能性もある」との展望も示した。合弁会社が順調に軌道に乗ることを前提に、5年後には30品目の品揃えを確保する方針だ。取り扱い製品も「合弁会社では重点領域以外に、もっと幅広い領域の品揃えをしていく」とした。
特化する産婦人科領域‐3年後に60億円を視野
一方、スペシャリティー化を進める産婦人科領域に関しては、来年2月にあすか製薬の第一号製品として発売予定の更年期障害治療薬「メノエイドコンビパッチ」、そーせいから導入した緊急避妊薬「ノルレボ」を視野に、「3年後に売上高を60億円に持っていきたい」との方針を明らかにした。10月には、医薬営業本部に「ウイメンズヘルスケア室」を新設。不妊・避妊・更年期障害などの啓発活動をスタートさせた。
山口氏は、「ホルモン補充療法と避妊領域の日本での市場は小さいが、啓発活動に努力することで着実に市場は広がってくる」と強調。「メノエイドコンビパッチの上市をきっかけに、産婦人科領域のリーティングカンパニーへの道を切り開いていきたい」と意欲を語った。