厚生労働省統計情報部は、2007年「医療施設動態調査・病院報告」の概況をまとめ公表した。07年10月1日現在の医療従事者総数は非常勤も含め173万6539・1人で、前年より2万9457・7人(1・7%)増えた。このうち、病院に勤務する薬剤師は常勤換算で前年より630・2人(1・6%)増の4万1032・2人で、実人員も4万3253人で前年より634人増加した。
動態調査は、06年10月から1年間のうちに、開設・廃止のあった医療施設を対象としており、病院報告は昨年1月からの1年間、全国の病院、療養病床を有する診療所を対象に、患者の利用状況や医療従事者の状況を把握するもの。
報告によると、医療従事者の総数は年々増加傾向にあり、病院100床当たりでみても、常勤換算医療従事者数は107・2人と、前年の104・9人に比べ2・3人増えた。薬剤師は2・5人で前年と変わらなかったが、医師は11・3人で0・2人の増加、看護師も38・2人で1・5人増えた。
常勤医師数の増減を都道府県別にみると、大阪(346・7人増)、東京(340・4人増)、埼玉(256人増)、千葉(197・3人増)などで大きく増えた一方、茨城(55・7人減)、鹿児島(52・4人減)、鳥取(32・6人)などで減少が目立ち、医師不足などによる医療崩壊の問題が深刻化する中、医師数は都市部では増加しているものの、地方では減少傾向にあった。
また、動態調査によると、小児科を持つ一般病院は前年に比べ60施設減の3015施設、産婦人科を持つ一般病院も39施設減の1344施設で、産婦人科や小児科を標榜する施設数が依然として減少傾向にあり、改めて医師数の地域間差、診療科別の偏在が浮き彫りとなった。
動態調査では、病院数が81減の8862施設、一般診療所が923施設増の9万9532施設で、病院数が減少している一方で、一般診療所が増加するという傾向は変わっていない。